体外受精スタート!初めての採卵まとめ【自己注射の痛みはどう?卵巣刺激法と採卵結果まとめ】

これまでの流れ

▶︎ 29歳 タイミング法で妊活も1年妊娠せず

▶︎ 30歳 不妊治療クリニックに通院開始

 ◎検査結果:低AMH(30歳で1.77)、子宮ポリープ(→経過観察)、ほか異常なし

▶︎人工授精3回失敗

不妊治療としてまず行った人工授精で3回失敗し、体外受精にステップアップしました

体外受精はまず採卵が必要になりますが、今回は初めての採卵についてお話しします(このとき30歳です)

採卵は痛い?どのくらい取れる?

自己注射のスケジュールの一例が知りたい。受ける前に採卵の流れについて知っておきたいな。

こういったお悩みについてお答えしたく、

今回は、私が実際に採卵したときのことを参考文献もご紹介しつつまとめました。採卵結果についてもお話しします。これから採卵を受ける方はぜひ最後までお読みいただければ幸いです

初回の採卵 卵巣刺激法

アンタゴニスト法で行いました

質の良い卵子を一定数確保するため、採卵前には排卵誘発剤を使って卵巣に刺激を与える必要があります

卵巣刺激法には様々な種類があり年齢や卵巣予備能に応じて最適な方法を選択しますが、私の場合はアンタゴニスト法で行いました

 

採卵のスケジュール

体外受精に入る周期の前に看護師さんから自己注射の指導を受けました

月経2 or 3日目に受診

エコー検査で卵胞チェックのうえで薬剤処方

月経3日目〜11日目

HMG製剤(フェリング)を皮下注射

月経10, 11, 12日目【朝】

朝、ガニレストを皮下注射

月経12日目 23時

ゴナトロピン3000単位皮下注射

月経14日目

採卵

実際には

  • 月経8日目、10日目、12日目 ▶︎ 受診 エコー検査で卵胞をチェック
  • 月経12日目 ▶︎ 採血でエストラジオール、プロゲステロン値をチェック

を行ったうえで、その2日後の月経14日目に採卵することが決まりました

 

採卵に使った薬剤について

採卵では①卵胞を発育させる、②卵子の成熟を促す、③排卵を抑制する目的で複数の薬剤を使用します

患者さんのための生殖医療ガイドライン参照

私は初めての採卵では①フェリング、②ゴナトロピン3000単位、③ガニレストを使用しました

薬剤① フェリング

卵巣を刺激して卵胞の発育を促す薬剤です

特に注射時間の指定はありませんでしたが、毎日決まった時間に注射するように言われていました

ペン型自己注射器とは異なり、フェリングは薬剤を溶解してシリンジ(注射筒)に充填して使用するので、以下のような手順が必要です

1. 生理食塩水のガラスアンプルを折って開封

2. シリンジに太い18Gのピンク針を装着し、生理食塩水を1mlを吸飲

3. 針付きシリンジをHMGフェリングの瓶に注入し
薬剤を溶解して再び溶けた薬剤を吸引

4. 太い針を皮下注射用の細い針に交換

5. 針側を上に向けシリンジをこんこんと弾き薬液中の泡を上に集めてプランジャーを少しだけ押し空気を抜く

6. 注射部位をアルコール消毒して皮下注射

慣れないと手順が煩雑です…

生理食塩水のガラスアンプルを折る時に手を少し切ってしまい苦手意識がありました

また、私はお腹に左右交互に少し位置をずらして注射するようにしていました

フェリングは合計9回打ったので、この作業を毎日繰り返すのはストレスでした

 

薬剤② ゴナトロピン3000単位

人為的にLHサージを起こし、卵子を成熟させて排卵を促す薬剤です

hCG注射をしてから排卵するまでの時間は約36時間なので、必ず決められた時間(私の場合は採卵2日前の23時)に注射するように指示がありました

ゴナトロピンはフェリングと同様に自己調整が必要な薬剤でした

 

薬剤③ ガニレスト

採卵前に排卵を抑制するための薬剤です

ガニレストはゴナトロピン注射日の朝まで3日間、朝の同じ時間に注射するように指示されました

ガニレストはGnRHアンタゴニスト製剤で排卵を抑制する作用がありますが、

投与間隔が30時間を超えるとLHサージが起きる可能性があるため、卵胞の最終成熟に使用する薬剤(hCG、GnRHアゴニスト等)投与との間隔は30時間を超えないようにします

ガニレスト添付文書参照

ガニレストは自分で薬剤を調剤する必要がなく、空気抜きをするだけだったので楽に感じました

注射に適した部位は臍の下または太もも上部を指示されていたので、私は臍の下あたりに注射をしました

採卵前の自己注射は痛い?

痛みの感じ方は個人差があると思いますが、

私は痛みにそこそこ強い方なので皮下注射自体の痛みは少しでしたが、特に自分で調剤する薬剤はストレスが多く、注射も毎日となると憂鬱な気持ちになりました

今回お話したのはあくまで私の初回の採卵で使った薬についてです

薬剤は様々な種類があり、状態に合わせて薬剤を使い分けているようです

私の場合も2回目と3回目の採卵ではそれまでの結果を踏まえて薬剤を変更することになりました 

 

採卵の結果

このようにアンタゴニスト法による卵巣刺激をして採卵に臨み、結果は

▶︎採卵:成熟卵胞13個

 受精:全て顕微授精

▶︎凍結保存:

 初期胚1個

 胚盤胞4個 5AA’ 4AA’ 4BB’ 4BB’

となり、初期胚1個と胚盤胞4個を凍結保存することができました

私の通院先では長期培養に適さずに胚が全滅してしまうことを防ぐため、初期胚の段階で1個凍結し、残りの胚は胚盤胞を目指すという方針でした

初期胚と胚盤胞 どちらで凍結するのがよいか?

私の場合、最初の病院では初期胚1個+残りは胚盤胞、その後の転院先では全て胚盤胞を目指す方針でした

(ただし、いずれも培養の状況を見て方針の変更もあり得ると言われていました)

一般的に胚盤胞移植の方が良好胚の選別がしやすいことから、初期胚移植よりも妊娠率が高いと報告されています

そのためまずは胚盤胞での凍結を目指すことが多いのだと思いますが、

採卵数が少なめ、培養しても胚盤胞まで育たない、繰り返し胚盤胞を移植しても妊娠しないなどの場合においては初期胚凍結•移植を検討することもあるようです

私は特に希望を聞かれなかったので医師の判断に委ねていましたが、中には初期胚で凍結するか胚盤胞まで培養するか、患者が選択可能な病院もあるようですね

 

まとめ

初回の採卵時の卵巣刺激法と採卵結果をまとめました

胚盤胞の個数、グレードともに低AMHの自分が予想していたよりも良い結果だったので妊娠にぐっと近づいたように感じていましたが、、実はこのあと着床という次なるハードルが待ち受けていました

また、採卵時の麻酔、採卵前後の体調変化についての記事もありますので、あわせて読んでいただけたら嬉しいです